知り続けたとして、

たとえばもっとその人のことを知りたい思いがあるとして、読み進めていくほどにその人のことをより深く知っていくとしよう。
どこまでも、その人に対する興味は膨らんでいくものなのだろうか?
たぶん、そうではない気がする。
読み続けようとする好奇心を支えるのは、見えないところがあることを知っているから。
見えそうなようで、見えないくらいというと、矛盾しているようなのだけど、
見えそうなのに見せてくれないくらいの性悪さと、ほんの少し勝手に思い描くことができるゆるさがあるくらいが、ちょうどいいのかもしれない。